私は虫が苦手だ。
子供の頃は蝉だってカマキリだって平気で捕まえて
いた。
大人になってまじまじと虫達を見てみると、蝉の
何とも言えない胴体部分やバッタの顔。
蝶々はあの鱗粉が舞っていると思うと、どうも…
きっと虫達も人間に対して同じように思っている
だろう。
せいぜい触れるのはてんとう虫くらい。
息子はというと、一時期ダンゴムシにハマり、
石をひっくり返したり土を掘ったりして毎日
狂ったように捕まえて、虫籠はダンゴムシであふれ
カマキリだって捕まえては
ママ、怖くないから触ってみなよ~
苦手だと知りながら私の方に笑いながら差し出して
くるほどだ。
ある夏の日、蝉が木に止まっているのを発見し、
網で捕まえようとした瞬間、ジィーと蝉が
息子めがけて飛んできた。息子の頭をかすめて蝉は
どこかに飛んでいってしまったが、息子は大パニック。
こわい、こわい~
半泣きになりながら私の元にやってきた。
蝉の一矢報いる行動がきっかけになり、この日から
息子は虫に恐怖を覚え、触れなくなってしまった。
だけど虫が気になるお年頃。
保育園のお迎えの後で、公園に虫を見つけに行こうと
いい出した。
ママは捕まえられないから、見つけたら息子捕まえてねー
分かった~
本当だろうな?と思いながら公園へ到着。
小さいバッタは大丈夫な様子で、難なく手の上にのせて喜んでいた。
大きな木の周りを歩いていたら、木の葉っぱに
蝉の抜け殻を発見。
あれ採って明日保育園に持ってく~
嬉しそうに言う息子。いいねーと返事をし、息子が
採るのを待っていると
ママ、怖いからアレ採って!
⁈ 蝉のトラウマなのか、抜け殻なのに触れない息子と
虫が苦手な私はもちろん抜け殻も嫌なわけで。
採って 自分で採りなよ の言い合いがしばらく続き、
結局抜け殻本体ではなく、葉っぱごと私が採ることに。
満足そうな息子だが、決して自分では持とうとしない。
帰り道では
ママが明日保育園に持っていって
早く冬が来ないかと思った暑い夏の日でした。